内見の前に準備しておくこと
内見当日に慌てないために、事前準備が重要です。物件にいる時間は通常15〜30分ほどしかなく、その短時間で判断するには持ち物と確認事項を整理しておく必要があります。
- メジャー(5m以上のもの。家具配置の確認に必須)
- スマートフォン(写真・動画撮影、方位確認用)
- 間取り図のコピー(書き込み用)
- 筆記用具(気になった点をその場でメモ)
- スリッパ(土足禁止物件や床の冷たさ確認用)
特にメジャーは忘れがちですが、冷蔵庫や洗濯機の搬入経路、ベッドが入るかどうかを判断するうえで欠かせません。スマホのメジャーアプリは精度が低いため、物理的なメジャーを推奨します。
内見中の写真撮影は、必ず不動産会社の担当者に一声かけてから行います。基本的には許可されますが、無断撮影はトラブルの原因になります。撮影する際は、後から見返してもどの部屋・どの場所かわかるよう、引きの写真と寄りの写真の両方を撮っておくと便利です。
室内でチェックすべきポイント
室内のチェックは、玄関から順番に時計回りで見ていくと漏れがありません。それぞれの設備や状態を確認するポイントを整理します。
壁紙の剥がれ、床のキズや凹み、天井のシミは入念にチェックします。特に天井のシミは雨漏りの可能性があり、退去時の修繕費を巡るトラブルの種になります。すでにある傷や汚れは、入居前の状態として写真に残しておきましょう。
水回りは入居後のストレスに直結する部分です。蛇口を実際にひねって、水圧と水の濁りを確認します。築年数の古い物件では、水を出した直後に錆び水が出ることがあります。
- キッチン、洗面所、浴室、トイレすべての蛇口から水を出す
- 水圧が弱すぎないか、お湯が出るまでの時間
- 排水の流れ(流れが悪い場合は詰まりの可能性)
- シャワーヘッドの状態と固定の高さ
- トイレの水を流し、タンクへの給水音を確認
コンセントは、生活動線に合っているかが重要です。家具を置きたい場所にコンセントがないと、延長コードだらけの部屋になります。間取り図にコンセントの位置を書き込んでおくと、入居後の家具配置を考えやすくなります。
クローゼットや押し入れは、奥行きと高さを必ず測ります。間取り図に記載されている寸法と実際のサイズが異なるケースもあります。手持ちの収納ケースが入るか、ハンガーポールの高さで丈の長い服が掛けられるかを確認します。
内見は可能であれば日中に行い、実際の日当たりを確認します。窓を開けて風が通るかどうか、窓の外に何があるか(隣のビル、墓地、線路など)も見ておきます。北向きの部屋でも、上層階で遮るものがなければ十分明るい場合もあります。
建物・共用部分のチェック
意外と見落とされがちなのが、建物全体と共用部分のチェックです。部屋の中だけ見て決めてしまうと、入居後に共用部分の問題に気づいて後悔することがあります。
| 確認場所 | 見るべきポイント |
|---|---|
| エントランス | 郵便受けの状態、チラシの散乱具合 |
| 廊下・階段 | 清掃の頻度、電球切れ、私物の放置 |
| ゴミ置き場 | 分別ルール、ゴミの散乱、悪臭の有無 |
| 駐輪場 | 空きスペース、自転車の管理状況 |
| 掲示板 | 過去のトラブル告知、住民への注意書き |
これらの共用部分は、住人のマナーと管理会社の管理状況がそのまま表れます。ゴミ置き場が荒れている物件、掲示板に騒音やマナーへの注意書きが多い物件は、入居後にトラブルに遭う確率が高いと考えてよいでしょう。
内見中、可能な範囲で隣室や上階の生活音を確認します。完全な無音は難しいですが、足音が頻繁に聞こえる、話し声が筒抜けになるレベルだと、入居後のストレスは大きくなります。壁を軽く叩いて、薄さを確認するのも一つの方法です。
周辺環境のチェック
物件そのものに問題がなくても、周辺環境が合わないと長く住むのは難しくなります。内見の前後で、周辺を歩いて確認しておきます。
「駅徒歩◯分」は直線距離で計算されていることが多く、実際に歩くと表示より時間がかかる場合があります。坂道や信号の数、夜道の明るさも、実際に歩いてみないとわかりません。可能であれば、朝の通勤時間帯と夜の帰宅時間帯の両方で確認するのが理想です。
- スーパー、コンビニまでの距離と営業時間
- ドラッグストア、病院の位置
- 銀行ATM、郵便局
- クリーニング店、コインランドリー
- 飲食店の充実度
特にスーパーの営業時間は、仕事帰りの買い物に直結します。最寄りのスーパーが21時に閉まる物件と24時間営業の物件では、生活の便利さが大きく変わります。
契約前に必ず確認しておくこと
気に入った物件でも、契約条件を確認せずに進めると後悔します。内見の段階で、担当者に直接質問しておくべき項目があります。
家賃の数か月分が初期費用としてかかりますが、内訳は物件によって大きく異なります。敷金、礼金、仲介手数料、保証会社利用料、火災保険料、鍵交換費用、消毒費用など、どの項目がいくらかかるのか書面で確認します。
退去時にどの程度の原状回復費用がかかるかは、契約書の特約に書かれています。「ハウスクリーニング費用は借主負担」「畳の表替えは借主負担」といった特約があると、退去時に想定外の出費になります。
2年ごとの更新時に、家賃1か月分程度の更新料がかかる物件が多く存在します。更新料の有無と金額、更新事務手数料の有無も、内見時に確認しておくと総コストが把握しやすくなります。
内見は、メジャーとスマホを持ち、室内・共用部分・周辺環境の3つを順番にチェックすることが基本です。特に水回りの動作確認、コンセントの位置、共用部分の管理状況、最寄り駅までの実際の道のりは、入居後の満足度に直結します。気になる点はその場で担当者に質問し、契約条件まで含めて納得できてから契約に進むことで、後悔のない部屋選びができます。



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